今年を占う年始めの出来事

 今年も始まって早くも半月が過ぎましたが、年初に感じたことを忘れないうちに書き残しておきたいと思います。


 私の働いている会社では、毎年年初には顔合わせの会があって、その際にその年の年男・年女の方が壇上に立ち、一年の抱負等々を皆の前で発表するということが慣習になっています。というわけで、今年も巳年生まれの方々が発表をされたわけですが、その中のお二人の方からこんな言葉が出てきたのが印象的でした。


 お二人とも現場でお客様と直接対峙する仕事をされている方なのですが、一人は「製品にそれほど差がなく、どの競合他社の製品も良いものである中で、あなたから買いたいと言われるようになりたい」、そしてもう一人も「自分のファン、当社のファンを作っていきたい」、要約するとそんな話をされていました。要するに、“お客様との関係性を深化させて、顧客から選ばれる人・企業になりたい”ということなのだと思います。


 このお二人の発表を聞いていて感じたんですよね。もう現場に出ている人の感覚として、自分たちの扱っている製品に他社製品と比較した際の優位性が無くなってきていることを痛感しているということと、そういう中で自分や自社を選んでいただけるには、関係性しかないと“自然に”感じる段階に来ているということを。そしてここでは、この“自然に”というのがポイントで、このことは、今の日本がこうしたことを現場の人たちが自然に考えるほどにコモディティ化しているということを表しているのだと思います。


 お二人のお話を聞いて、現場ではそうした危機感をヒシヒシと感じているんだなということを再認識させられました。そして、それと同時に、関係性を築いた企業が、また関係性を築くプロセスを持った企業が勝つ時代に間違いなくなるとも思いました。


 そんな中、この顔合わせの会の後の部門の責任者の年頭のあいさつではこんなことを仰っていました。


『誠実さはスピードに表れる』


 この言葉自体がプロセス云々とは関係があるわけではありませんが、顧客に対してどういう姿勢でいることが大切なのか、関係性を強化するにはどういう心構えでいたら良いのか、その第一歩目の心掛けとして、こういうことを徹底できるかどうかがポイントなんだろうなとも思いました。


 年初からこうしたメッセージをもって始まった2013年。たぶん、世の中的にこうした流れになっていくでしょうし、私の携わる仕事もこのような方向性をもって進んでいく、いや、進んでいかなければならないと感じています。まあ、そういうわけで遅くなりましたが、本年も公私ともども、そして本ブログもよろしくお願い致します。