パイが縮小する時代を生き抜く、『人・モノ・金・“顧客”』の経営四要素

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さて、前回は現在企業が抱える問題と、これから目指すべき姿について、長々と記事を書いてみました。

「『人・モノ・金』経営の限界と『顧客戦略』という新しいパラダイム

http://ameblo.jp/marketing-no-hinkaku/entry-10244345805.html

私も、あんなに長い記事なので分割しようかなとも思ったんですが、全体の流れを分断せずに伝えたいと思い、結果としてあのような形にしてみました。

とはいっても、あんなに長いブログの記事はそうそう無いんじゃないか(笑)と思うほどの長編でしたので、あんまり読んでもらえないかなとも思ったんですが、実は予想以上に読んでくださる方が多く、反響もコメント以外にも多数いただきました。

それだけセンセーショナルな内容でもあったわけですが、現在の日本企業が置かれている状況を正に指し示した内容であることは間違いないと思いますし、少なくともこの記事を読んで反響をいただいた方には、そのことを強く共感いただいたのだろうと感じています。

そんな中で、この記事についてmasaさんから「具体的にどうすればよいですか?」というコメントをいただいたので、今回は簡単に補足してみたいと思います。

まずはですが、顧客戦略を実行していくうえでベースになるのは、One to Oneマーケティング の考え方です。

何せ、企業と顧客とのOne to Oneの関係作り、そして、共生・共歓・共育の関係を気付いていくわけですから、マスマーケティング での実現は非常に難しいと思います。

One to Oneマーケティングでは、まずは優良顧客を定義し、顧客を識別し、ターゲティングしていくわけですが、ここで多くの企業は、データベースマーケティング の手法としてRFM分析ABC分析 を使うのではないかと思います。

百貨店などは正にそうで、未だに多くの百貨店がこうした手法でDM等をうっていますが、成果はあまり出ていません。

なぜなら、まず第1に、RFM分析やABC分析は、そのデータの抽出時によって、顧客が大きく入れ替わるからです。

ある方の経験則では、1年間で優良顧客セルのの40%が入れ替わると言われています。

そして、何より問題なのは、このRFM分析やABCは、顧客対してではなく、セルに対してランクを付けているということです。

それ故、RFM分析を行っている百貨店では、その日の分析でRFM(555)の顧客を抽出し、そのRFM(555)にいる顧客を優良顧客と信じてDMを打つわけですが、直近に、しかも、たくさん買った顧客に対し、売込みのDMを送ったところで、反応があるわけがありません。

言うなれば、お腹一杯のお客さんに、「おかわりはいかがですか?」と言っているようなものです。

さらには、たまたま最近買っていなかったポテンシャルの高い顧客を、その日の分析では、優良顧客のセルに入っていなかったがために、みすみす逃すということにもなりかねないわけです。

つまり、こうしたRFM分析やABC分析によるデータベースマーケティングは、抽出してヒット率をいかに高めるかという、売込み色の強い、場当たり的なマーケティングにならざるを得ず、終いには顧客に嫌がられることになってしまいます。

そして、何より顧客と関係を深めることや顧客を育成するというような概念が、すっかり欠落してしまっているのです。

もちろん、顧客の識別の仕方や対象は、業界によって異なります。

例えば、自動車販売のような業界は、全顧客が対象になります。

なぜなら、自動車業界は大口で購入する法人は別として、個人の売り上げを集積してもパレートの法則が当てはまらず、優良顧客に絞って顧客をケアすることができないためです。

一方、百貨店や小売のような業界では、全顧客を対象にするというのは、費用対効果的に無理があります。

そのため、ケアする対象を識別することになるわけですが、ここで重要なのは、優良顧客となるであろうポテンシャルを持っている顧客をケアの対象とするということです。

例えば、直近に傘を一本買っただけの顧客をケアすることはそんなに意味はありあません。

しかし、1年前に1つ20万もする靴を買っている顧客は、直近の購入(R)や購入頻度(F)、高額商品を購入した(M)というRFM分析の観点で見れば優良顧客にはなりませんが、こうした顧客をケアする価値は十分にあると言えるわけです。

つまり、ポテンシャルがあって、自社にとって優良顧客となり得る顧客を識別し、ターゲティングするということが、まずは重要なわけです。

次に、顧客を識別した後は、その顧客のランク、さらにはその顧客個々人ごとに、シナリオを設計していくという作業になります。

つまり、顧客に対する根本的な方針とアクションを設計していくということです。

そして、ここでは顧客に対し、平等ではなく、公平な対応をするということが重要になります。

「平等も公平も一緒じゃないか!」という声も聞こえてきそうですが、平等と公平は似て非なるものです。

ここでいう平等とは、万人に対し、全く同じ対応をするということです。

例えば、この平等な対応というのが、自社の顧客の平均的顧客への対応とすることにしましょう。

さらに、これを分かりやすくするために、ものを買うという行動で表してみますね。

では、ものを買うという行動において、この平均的顧客というものを、自社の商品に興味はあるが、今すぐは買わず、半年後ぐらいの購入を考えているような顧客というふうに設定してみます。

すると、自社の顧客の中には、こうした今すぐは買わず、半年後ぐらいに購入を考えているという平均的顧客がいる一方で、今すぐ買いたいと思っていて、ポテンシャルのある顧客もいれば、とりあえずホームページを覗いてみてメルマガの登録をしただけで、それほど興味も無く、購入はまだ全然考えていないというような顧客もいますよね。

そうした、興味も購入意欲も、ポテンシャルも様々な顧客に対して、平等な対応をしていたらどうでしょうか。

ここでいう平均的顧客には、心地良いと感じてもらえるかもしれませんが、購入意欲の高い顧客にとっては、物足りないと思われるでしょうし、逆に、まだまだ興味も低い顧客にとっては、煙たがられることが考えられますよね。

では、この平等に対して、公平な対応というのはどういうことなのかというと、顧客のそれぞれの状況に応じて、それに見合った適切な対応をするということになるわけです。

この公平な対応というのは、企業側から見れば、顧客によって対応を変えますので、一見すると顧客を差別しているのかとも思われがちですが、顧客の立場から見れば、自分が望む対応をされていて、心地良い思いをしているわけですから、何の不満もありませんし、むしろ満足いく対応となりますよね。

ということで話を戻しますが、このように、顧客を公平に扱い、顧客ごとにシナリオを設計していくことが重要になるということです。

One to Oneマーケティングなのですから、当たり前と言えば、当たり前ですよね。

そして、そのシナリオをもとに、顧客との対話により、契約、さらにはLTV の最大化に向けてマイルストーンを進めていくわけですが、こうしたここまでの一連の作業には、ITの力が欠かせないものになってきます。

もちろん、各顧客との取引が大きく、顧客数が全部で10社ぐらいしかないというような企業の場合は、アナログでもいけるかもしれませんが、ほとんどの企業では、顧客数がアナログではなかなか管理できないほどの数なのではないかと思います。

そもそも、このOne to Oneマーケティングという考え方は、この日本においてもかなり前からあったわけですが、One to OneマーケティングやLTV最大化の実現は、夢物語とされ、実際に実践する企業はほとんどありませんでした。

その背景には、昔はITがありませんでしたから、アナログでやろうとしても無理という、物理的な問題もあったわけです。

ところが、このインターネットの登場が、その環境をがらりと変えたのです。

インターネットの登場によって、顧客とのコミュニケーションコストは激減しましたし、SFACRM のようなシステムも世に生み出されることになりました。

これまで、夢物語と思われていたことを実現できる環境が、ここ10数年で一気に整ってきたわけです。

しかしながら、このIT、まあITというよりSFACRMは、本来あるべき姿とは違うかたちで、世の中に広まっていってしまいました。

そうです、皆さんもご存知のように、SFACRMは、単なる見える化のためのツール、データ分析のツールとして、広まっていってしまったのです。

結果、SFACRMを導入した企業のほとんどが、導入に失敗するという燦々たる結果になっているのは、ご承知の通りです。

では、なぜこれまでのSFACRMは、これほどまでに燦々たる結果になってしまったのでしょうか。

その答えは、顧客という概念、One to Oneマーケティングという概念が、SFACRMに欠落していた、これに尽きます。

SFAは、企業の都合で考えられたビジネスプロセスの進捗を追うこと、そのプロセスがどうなっているのかを可視化することしか考えられてきませんでした。

しかし、結果は、いくらプロセスを進めようとしても、見積もり提出までは行っても、契約には結びつきません。

当然です。

買うと決めるのは、顧客なのですから。

企業が、企業側の都合で決めたビジネスプロセスをいくら追いかけても、顧客の状態も分からなければ、契約に至るはずがないのです。

本来ならば、企業側のビジネスプロセスではなく、顧客の購入プロセスがどの状態にあって、どのようにしたら、その進捗が進んでいくのかを形式知化することが大切なのであって、その顧客の購入プロセスや、いわゆる顧客の本音の部分を知るには、顧客との関係を深めるしかないわけです。

さらに、分解するならば、顧客との関係を深めるには、お客さんとの感情的な部分における関係を深めていくこと、そして、理論的な部分における信頼関係を深めていくことが重要になりますし、この情と理の進捗を進めていくことで、顧客の購入プロセスの状況も分かりますし、ビジネスプロセスを進捗させるために、顧客から聞くべきことや本音も聞くことができるようになるわけです。

つまり、本来SFAというのは、企業側の都合であるビジネスプロセスの1本軸だけではなく、このビジネスプロセスに加えて、情のプロセス、理のプロセス、顧客の購入プロセスという、全部で4本の軸を持って運用されるべきものなのです。

そうであるにもかかわらず、既存のSFAは、顧客という概念が欠落し、ビジネスプロセス1軸での管理しかできませんでした。

そして、いつしか営業マンの行動管理ツール、日報報告ツールとなり替わり、売上や利益に直結せず、導入しても意味の無いものというレッテルを貼られるほどになりました。

当然ながら、営業マンがそうしたシステムを率先して使うわけもありません。

マネージャーが営業マンを管理するために、営業マンは嫌々入力するという、正に導入失敗という事例が、導入したほとんどの企業で発生したのです。

一方のCRMも、先に述べたようなRFM分析やABC分析など、単なるデータベースマーケティングのためのツールになり替わることになりました。

もちろん、データベースは企業にとって大事なものではありますが、こうしたデータは過去だけを見ているのであって、これから顧客を育成することやLTVを最大化するという観点には立っていません。

そうなってしまうのは、やはり目先の利益を上げることにとらわれ、顧客に対する根本的な方針・施策が無いということを物語っているのです。

もうこれまで散々お話ししてきたように、これからの時代は、顧客を中心に据えた経営に確実に移り変わっていきます。

そして、そのパラダイムの変化に合わせて、企業も間違いなく変化しなければならない時期に差し掛かってきました。

これからの日本は、少子超高齢化、成熟化社会ですから、ここで変化できない企業は、残念ながら淘汰されることになってしまうでしょう。

そうならないためにも、私たちは、顧客戦略という新しいパラダイムをいち早く取り入れ、顧客と共生・共歓・共育する経営を目指していかなければならないのです。

そして、それを実現するためには、顧客に対する根本的な方針をもとに、全く新しいSFACRMを利用し、真の顧客戦略やOne to Oneマーケティングを実行していくことが必要なのです。

これ以上の具体的な内容は、メールやりクエスチョンでお願いします。

これ以上、深掘りすると本1冊書ける勢いですし、ブログに書く内容ではなくなってしまいますので(笑)




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