痛車ブームに見るマニア市場の広がりと深み
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【人気ブログランキング参加中】
マーケティング・経営ブログ 第58位(10/23現在)
応援クリックよろしくお願い致します
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
秋葉原を中心として、もはや市民権を得たとも言える“オタク”。
そんな彼らの間から、「メイド」や「萌え」など様々な文化や言葉が、次々と生まれてきましたよね。
そんなオタク社会の中で、今、とりわけ注目を集めてきているものがあります。
それは何かというと、『痛車』。
この『痛車』は、「いたしゃ」と読むのですが、一般の人からすると、一体何のことなのか分かりませんよね。
あいにく私もオタクではないので(笑)、最初は全然知らなかったのですが、この『痛車』というのは、萌え系のキャラクターを車体に描いた車のことなんだそうです。
そして、この『痛車』という名前は、「痛い車」という自虐的なメッセージから来ているというのですから、ちょっと笑えますよね。
そんな痛い『痛車』ですが、この『痛車』、昨今若者の自動車離れが叫ばれている自動車業界の中で、かなりマーケットを膨らませてきているというのです。
少し昔のことを振り返ってみると、スポーツカーブームなどもあり、何か車のイベントを開こうものなら、多くの参加者が集まったわけですが、最近は参加者がなかなか集まらず、主催者が“青くなる”なんていうことも少ないそうです。
しかし、そんな中でこの『痛車』のイベントを行うと、とんでもない数の車が集まるんだとか。
例えば、岐阜県可児市では毎年『萌車ミーティング』というイベントが開催されているのですが、今年2008年のこのイベントに集まった『痛車』の数、何台だと思いますか?
その数、何と600台。
こうした車系のイベントでは、この600台という数はかなり多い数字なんだそうです。
しかも、この『萌車ミーティング』は、600台といっても、実は、主催者が募集期間をあえて短く設定してこの結果なので、十分な募集期間をとれば、1000台の『痛車』を集めることも不可能ではないと、自信を募らせているんだとか。
一方でこの『痛車』、車本体だけでなく、実は雑誌の世界にも進出してきています。
皆さん知ってましたか、『痛車』の専門誌が3誌も出版されていることを。
2007年4月に日本初の痛車専門誌『痛車ろーど』が発売されたのを皮切りに、今年8月には『痛車倶楽部』、10月には『痛車Style』という雑誌が発売され、この不況にあえぐ雑誌出版業界の中で、『痛車』は数少ない稼げるコンテンツになってきているんですね。
この他にも、『痛車』のプラモデルが発売されたり、『痛車評論家』という驚きの職業があったり、今後は痛車仕様のデコトラが発売予定だったりと、この『痛車』ブームの広がりは留まることを知らない、そんな状態になってきているのです。
さて、この『痛車』のマーケットを見ても分かるように、マニアのマーケットというのは、一般の人にはなかなか受け入れられないものの、マニアの間では、とても根強く、深いマーケットになっている場合が多いものです。
こんなの誰が買うんだろうというようなものでも、実は数千個売れていて、大ヒットではないけれども確実にマニアのマーケットが存在する、そんなマーケットはかなり多いのではないかと思います。
例えば、先月、秋田県羽後町のJAうごで、あきたこまちの新米が注文殺到で販売が一時停止するという事件が起こりました。
もちろんあきたこまちですから、味も美味しいわけですが、この事件の真相は残念ながら味ではありませんでした。
では何なのかというと、実はこのあきたこまちの米袋のパッケージに、人気イラストレーターの西又葵さんが、“萌え系”のイラストを書いたからなんですね。
その結果、全国のマニアたちから注文が殺到し、販売停止という状況にまで発展したというわけです。
やはり、今の時代は、かつてのような“大量生産・大量消費”という時代ではありませんから、全体の中では少数でも、マニア層に向けた商品やサービスを提供するというのは、経営をする上で非常に有効な戦略の1つであることは間違いないと思います。
しかも、この情報化社会の中ですから、いくら少数とはいっても、マニアたちはネットを通じてコミュニティを増殖させていき、全国規模で集まれば相当な規模のマーケットになっているということも少なくありません。
そして、皆さんもそうでしょうけど、人間は自分が好きなものには、お金も時間もかけますよね。
そういうことを考えると、マニアのマーケットというのは、少数とはいえ、かなり面白いマーケットになることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
一般の人には、マニアの感覚や好みというのがなかなか分からないため、そのマーケットに飛び込む企業はあまり多くないわけですが、それはある意味チャンスでもあります。
世の中を見る感覚を磨いて、発想力やセンスをアップさせる、そんな力が、今の時代の経営者には求められているのかもしれませんね。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【にほんブログ村ランキング参加中】
経営ブログ 第62位(10/23現在)
広告・マーケティングブログ 第3位(10/23現在)
応援クリックよろしくお願い致します
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇