震災復興と顧客の創造

 新しい年になりましたね。皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します。


 今年はどのような年になるのでしょうか。いろいろな人がいろいろな予測を立てていますが、昨年、3.11やタイの洪水を経験した僕たちは、そうした予測が予測に過ぎないことを痛いほど見せつけられました。「未来は誰にも予測できない」、この言葉を昨年ほど痛感した年はないかもしれませんね。


 とはいえ、今年の日本は震災からの復興の一年として、官民一体で様々な事業が遂行されていくことは間違いありません。何があろうとも前に進む、被災地もそれを支援する側も、それは共通認識としてコトが進められていくものと思います。そして、これに関しては予測が外れることもそうはないでしょう。


 さて、話は変わりますが、今日のほぼ日刊イトイ新聞の『今日のダーリン』のお話はとても示唆に富む内容でした(こちらのサイトはアーカイブ化されずに毎日最新記事に更新されるので、今日しか見れませんのでご注意を!)。糸井さんは、“震災復興で「復旧じゃなくて、復興だ」だと言われることは、結局は顧客を「創造」しようという話だ”。また、顧客の創造という言葉は、いろんな言葉に言い換えができるということを言っています(その部分だけ以下に転載します)。


 それは、いろんな言い換えができるわけでして、
 「欲しがられないものをつくってもさぁ‥‥」とか、
 「それ、おもしろいか‥‥?」とか、
 「こっちの都合だけだよ、そりゃ」とか、
 なかなか厳しい表現になったりもするんですよね。
 でも、どれも、「顧客の創造」について言ってます。


 僕も「たしかに!」と頷きながらこれを読みましたが、糸井さんが言うように、僕たちがビジネスの世界で行うことの多くは、この「顧客の創造」という言葉に集約されるのかもしれませんね。顧客が創造されるということは、需要が創造されることであり、つまりそれはそのことに価値を見出す人々が存在するのかどうかということです。価値があれば顧客は創造できるし、無ければ何も生まれない。実は僕たちは普段の仕事の中で、こんなにもシビアな戦いを毎日し続けているのかもしれません。


 逆に言えば、世間の多くの人々は、こんなにシビアな戦いをしているということに気づいていないので、気づかないうちに売れていたり、気づかないうちに売れなかったりしている、それが実態なのでしょう。でも、こういうことに気づいておくことって大事だと思いませんか?ドラッカーブームで、「顧客の創造」という言葉は多くの人に認知されましたが、この言葉も言い換えると、こんなにも身近で、且つシビアな言葉だということです。


 でもこのことに気づくと、このワード一つが、ビジネス上のいろいろな判断の指標になって、とても便利ですよね。発想を柔らかくして、言い換えたり、うまく解釈すると、難しそうな言葉もこんなに便利に活用できるんだなと、とても勉強になりました。


 冒頭に書きました通り、未来はなかなか予測できませんが、この「顧客の創造」というワードに秘められた原理原則は、原理原則であるだけに、今後も変わることはありません。いろんな流行りに飛びつくのではなく、こうした原理原則を大事にして、日々の仕事をしていきたいですし、今後はこういうことをしっかり考えた本物しか生き残れない時代になっていくと思います。2012年は、震災の復興はもちろんのこと、その辺りの足元を固める一年にしていきたいですね。本年もどうぞよろしくお願い致します。