読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

業績が悪い会社が陥りがちなパターン

 業績の悪い会社、もしくは業績が悪くなってきた会社では、バックヤードの人材を減らして、営業部隊を増員するというケースがよくあります。そして、このような時に削減対象となるのは、マーケティングの部隊であることが多いという共通項もあるのではないかと思います。今の職場ではありませんが、僕自身も実際にそのようなケースに巻き込まれたことがありますし、最近もある企業で、知人がそのようなかたちで異動になるというケースを見ました。まあ、だからこういうエントリーを書いているわけですけどね…。

 

 

 さて、そういう会社の経営者やマネージャーというのは、おそらくそのほとんどが営業出身で、マーケティングに疎いのではないかと経験則で感じているのですが、彼らは基本的に営業という仕事は位が上で、その他の仕事はその下位にあると考えている感があります。つまり、営業ではない仕事は、誰がやっても同じ、ある意味軽い仕事として考えているわけです。

 

 

 しかし、皆さんもご存知の通り、今の時代は人海戦術をとって単純に営業を増やし、顧客との直接接点を増やせば良いという時代ではなくなっています。昔のように、モノを流通に乗せれば売れるという時代ではありませんからね。だからこそ、バックグラウンドの仕組みがあることで営業部隊が活きる、そういうケースは往々にしてあるわけです。

 

 

 たしかに、結果として利益が上がる場所は営業が受注を獲得し契約が成立したところです。だからこそ、営業という仕事は花形だと考えている人もいるわけですが、それはとんだ勘違いなわけですよね。それは、単なる業務の“役割”であって、営業という仕事がすごいわけでもすごくないわけでもありませんし、偉いわけでも偉くないわけでもない。他の業務と何ら位置づけが変わるものではないのです。

 

 

 これは、外で働く夫と家庭を守る妻といった夫婦関係に近いのかもしれません。外で働いている男性の皆さん、皆さんの家庭で外で稼いでくる夫(自分)が家庭において偉いという方は、はたしてどれくらいいらっしゃるでしょうか。「俺は亭主関白だ!!!」なんていう方もいらっしゃるかもしれませんが、今の時代、そういう家庭はあまり無いと思いますし、きっと尻に敷かれている男性が多いのではないかと思います。

 

 

 だからといって妻が偉いというわけではなく(いや偉いかもしれませんがw)、外で働く夫も家庭を守る妻も、家庭においてはどちらも家庭の中の役割として大切なわけですよね。片方が欠けたら、もう一方に必ず支障が出る。そのまた逆も然りで、お互いが尊重し合っていれば、それぞれに良い相乗効果をもたらす。それが家庭であり、夫婦なのではないかと思います。

 

 

 会社においての営業とそれ以外のマーケティングや業務、総務、広報等々のバックヤードとの関係も、この家庭の夫婦の関係に近いと思うんですよね。どっちが偉いとか、優劣があるとかそういうものではなくて、お互いが同じベクトルを向いてお客様に対峙することで、相乗効果がもたらされるものなのだと思います。ですから、「業績が悪いから営業を増やしますよ。それ以外の仕事は誰でもできるだろうから何とかしてね。」というスタンスは、僕からすればあり得ないんですよね。というか、バックヤードの仕事こそ、誰にでもできるものではないことが多いですからね。経営者やマネージャーは、そんな単純な人員の配置転換をするのではなく、必要な仕組みをどのように作って、そこに適所適材でどう人材を配置するかを考えるのが、大切な仕事の一つでしょという話なわけです。

 

 

 営業が無理な営業をしなくてもお客様に商品を買っていただきやすくする仕組みを作るのがマーケティング部隊の仕事ですし、それでお客様にお買い上げいただいて数字という結果が出れば、営業がマーケティング部隊に感謝しないなんていうことはないですよね。そして、それで成果が出れば、マーケティング部隊だって嬉しいわけです。そして、このようにしてかたちになった商談を業務部が円滑に処理し、初めて利益が計上されるということですね。

 

 

 今の時代は営業を増やせば売上が上がるなんていう時代ではありませんし、営業以外の部隊が誰でも替えが効く仕事であるわけではありません。そういうことを簡単に行ってしまう経営者やマネージャーは、あまり意味のない人員転換をする前に、マーケティングのことや組織のことをもっと勉強すべきなのではないでしょうか。

 

 

 そして、何よりバックヤードの部隊の仕事の中身をよく知り、その部隊がどれだけ組織に貢献しているかを知るべきでしょう。営業は直接的な成果が見えやすいので評価もされやすいですが、バックヤードの部隊は直接的な成果が見えづらいため評価もされづらいのです。ですから、その貢献度を知り、それをしっかり評価してあげる。このことだけでも、バックヤードの部隊の志気は上がり、組織の雰囲気も、ひいては業績も向上するのではないでしょうか。組織を良くするも悪くするも、トップ次第なのです。