コミュニティサイト『プレミアムライフ向上委員会』に見る、セブン&アイグループの狙いとは??
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今年最初のブログ更新となりました。
改めまして、皆様、新年明けましておめでとうございます。
本年も、皆様に少しでも価値のある経営やマーケティングのヒントをお届けしていけるよう記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願い致します。
ちなみに、昨日さり気なくブログタイトルを変えました。
さて、今年初めのブログですが、今回は不振に喘ぐGMS の中で、セブン&アイグループ にスポットを当ててみたいと思います。
GMSは、近年の不振の中で、より安いモノを求める消費者に応えるためにPB 商品の強化に追われています。
このことは、メディアでもよく取り上げられていますし、皆様も消費者としてスーパーに行く機会もあるでしょうから、よくご存知なのではないでしょうか。
そして、多くのご家庭では、何らかのPB商品を買う機会も、実際に増えたのではないかと思います。
そうした中で、セブン&アイグループでは、同社のプライベートブランドである「セブンプレミアム 」の開発や改良につながる消費者の声を拾い上げるために、昨年10月、コミュニティサイトをオープンさせました。
そのコミュニティサイトというのが、『プレミアムライフ向上委員会 』。
こちらのサイトは、同社のセブンプレミアムの商品の新発売などの新着情報を見ることができたり、商品に対する意見や感想を消費者が簡単に書き込めたり、はたまた、商品の相性や価格を消費者から募るコーナーを設けたりと、セブン&アイグループと消費者とがつながる様々な仕掛けが組み込まれているのですが、この手のサイトは、うまく使えば様々な効果を企業にもたらしそうです。
会員数も、今日(2010年1月8日)現在で13,000人を集めており、当初の目標よりも順調に伸びているようで、この不況下の中での消費者の関心の高さもうかがえます。
それでは、そもそもセブン&アイグループでは、どのようなことを狙いとしてこのサイトを立ち上げたのでしょうか。
その狙いの1つが、商品発売後の消費者の反応を受け止める受け皿を作って、商品の改善につなげるということです。
セブン&アイグループではこれまで、新商品の開発に追われるあまり、市場に投入した商品のレビューにまでは、なかなか時間を割くことができませんでした。
そのため、このコミュニティサイトを使うことで、消費者の声を効率的に拾い上げることをまず第一の目的としたわけです。
そして、もう1つの狙いは何なのかというと、幅広い層の消費者の声を、商品開発に活かすということ。
これまでセブン&アイグループでは、商品開発をするにあたっては、主婦のモニターを集めたグループインタビューを主に利用していました。
この手法は、結構多くの企業が行っていますが、問題は、モニターの層がある程度固定化されるため、案外偏った意見しか集めることができないということなんですね。
このPB商品にしても、ターゲットは主婦なんだから良いじゃないかと一見思ってしまいがちですが、今の時代は、弁当男子と言われるように、若い男性もスーパーに行きますし、独身の40代の男性もスーパーに行きます。
当然、彼らの発想と主婦の発想は違うわけで、こうしたことを考えると、主婦だけのグループインタビューでは、どうしても限界が出てきてしまうわけですね。
その点、こうしたコミュニティサイトは、そうした属性のセグメントがありませんから、認知してもらって、書き込む仕掛けさえ与えてあげれば、多様な層の声が集まってくる可能性がありますよね。
セブン&アイグループでは、このような狙いと発想のもとで、このプレミアムライフ向上委員会のサイトを立ち上げたわけですが、こういうサイトというのは、先日このブログでもご紹介した『スキンケア大学』の事例 などと一緒で、企業がWebサイトを顧客政策の中心に据えて顧客と対話を図るという意味で、とても良い事例だと思います。
やはり、これからの時代は、顧客を経営の中心に据え、顧客を全ての業務の基点として企業活動を行わなければ、企業は顧客から簡単に見放される時代です。
ですから、企業としては、顧客の価値を発見・確認・実現していくことが至上命題となっていくわけで、それを行うためには、企業は顧客と関係を深化させるしかないわけです。
そして、その関係を深化させるためには、企業と顧客の対話が必要なのです。
そういう意味では、このプレミアムライフ向上委員会も、これからもっと消費者に愛されるサイトに進化していくためには、このサイトを基軸に、消費者と関係を深めて良くコンテンツや仕掛けを用意することがポイントになります。
それらの点がブラッシュアップされれば、今よりももっと双方向のコミュニケーションが図られて、本当の意味での“コミュニティサイト”へと育っていくのではないかと思います。
今は、デフレ宣言が出されている通り、あらゆる業界で価格競争という名の消耗戦が繰り広げられています。
では、その背景にある問題は何なのかというと、企業に顧客という概念がないため、コモディティ化 し、価格でしか価値を見出せないというところに問題があるのです。
そういう世界では、どこかが値段を下げれば、競合他社もまた値段を下げますし、価格にしか価値が無ければ、顧客は常に安い店に流れてしまいます。
つまり、価格で奪った顧客は、価格で奪われるのです。
しかし、値下げ競争にも必ず限界が来ます。
当然です。
企業はずっと赤字を続けてまで、消耗戦を続けることはできませんからね。
ですから、価格では無いところに価値を見出さなければなりません。
その価値とは何なのかというと、それは顧客が求める価値なのです。
これまで日本のほとんどの企業には、「人・モノ・金」の経営三要素しか経営の基盤がなく、企業にとって売上や利益をもたらす唯一の存在である「顧客」をある意味ないがしろにしてきました。
多くの企業に「お客様第一主義」という理念はあっても、実際に顧客政策を策定し、実行している企業はほとんど無かったのです。
しかし、これから少子高齢化に、成熟化がダブルで押し寄せ、パイがみるみる縮小する日本においては、もう「人・モノ・金」のコスト削減経営も限界です。
顧客と関係を深化させ、顧客の価値を発見・確認・実現し、企業と顧客とが共生・共育・共歓の関係を築いていく経営へシフトしていかなければならないのが、今この時なのです。
それを気づかせてくれたのが、今回の世界的大不況だったとも言えます。
すなわち、これまでのやり方では今回の不況は乗り切れないことを経営者に気づかせてくれたのが今回の不況であり、この不況を乗り切るためにやらなければならないことと、これからパイが縮小する時代に企業がやるべきことは、実は同じことだったというわけです。
ですから、今回の不況はある意味では良かったとも言えますし、これが無ければ、多くの企業は茹でガエル状態になってしまっていたかもしれません。
企業としては、そこに気づくことができたのを良しとして、こうしたセブン&アイグループのような取り組みをもっとしていくことが必要です。
まだ多くはありませんが、世の中の先進的な企業は、新たな経営パラダイム 、すなわち、これまでの「人・モノ・金」に「顧客」を加えた、経営四要素経営にシフトし始めています。
そうした企業の取組を参考にしながら、企業としては、新たな経営パラダイムの構築に取り掛かかっていくことが急務の課題と言えるでしょう。
そういう意味でも、このセブン&アイグループのプレミアムライフ向上委員会はとても参考になりますから、顧客政策の中心のWebのあり方の参考事例として、ぜひ研究してみてくださいね。
本年も大変な時代ではありますが、やるべき事をやって、明るく楽しく利益の上がる経営をしていきましょう!
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