顧客基点で瞬く間に売れた『瞬足』の秘密とは!?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【人気ブログランキング参加中】
マーケティング・経営ブログ 第96位(4/7現在)
応援クリックよろしくお願い致します
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
突然ですが、皆さんは『瞬足』という靴をご存知でしょうか。
おそらく小学生のお子さんをお持ちの方は、よく知っているかもしれませんね。
この瞬足とは何なのかというと、靴大手のアキレスが販売している、履くだけでかけっこに勝てるという“魔法の靴”として、小学生の間で並々ならぬ人気を博している靴なんです。
「履くだけで早くなるなんてホント!?」と思ってしまいますが、この瞬足は“コーナーで差をつけろ”というコンセプトの下、靴底のグリップを左右非対称にして、運動会など急カーブが続くトラックで転びにくくし、通常スピードが落ちるコーナーでも強く踏み込んで走れるように作られた、正に足が速くなる魔法の靴なのです。
やはり、私もそうでしたが、多くの子供たちは足が速くなりたいと思っているでしょうし、運動会では1番になりたいと思っているはずです。
そんな子供たちの望みを叶えてくれる靴を、子供たちが欲しがらないわけはないでしょう(笑)。
それを証明するかのように、この瞬足は2003年の発売以来、累計販売数が2000万足に迫る、スーパー大ヒットを遂げています。
ちなみに、この靴の業界は100万足売れたらヒットと言われていますから、2000万足はちょっとありえない数字ですよね。
だって、ターゲットとなる幼児〜小学生は約1000万人しかいないので、単純計算すれば、小学生の2人に1人が瞬足を履いていることになるわけです。
しかも、毎年順調に売り上げを伸ばしており、今年も500万足以上の発売を見込んでいるんだとか。
正に、怪物商品と言えますよね。
今日、私もたまたま靴屋の前を通り過ぎましたが、その靴屋さんの最前列には、この瞬足がドーンと売られていました。
ちなみに、この商品を開発の責任者を務めたのは、アキレスの商品企画開発部の津端さんという方なのですが、この方の開発の際のエピソードも少し笑えます。
というのは、津端さんはこの瞬足を開発するに当たり、子供たちの走りを観察するために、8年間我が子の運動会で児童の靴を撮影し続けたんだそうです。
めちゃめちゃ怪しいですよね(笑)
きっと、今やったら捕まっちゃうかもしれません・・・。
もちろん、学校には許可を得ていたそうですが、今度は写真屋さんに行くと、怪しがられて現像を断られるという始末。
今となっては笑い話ですが、当時は相当大変な思いをして、研究に研究を重ねたんだと思います。
その甲斐あって、機能的にも優れ、且つ小学生のニーズにマッチする商品が出来上がったわけですね。
これまでは、小学生の靴というと、低学年はキャラクター靴、そして、高学年になると皆バラバラという傾向が強かったと思います。
しかし、これだと、キャラクター靴はアニメがいかにヒットするかにかかっていますし、ヒットしたアニメもいずれ終わってブームも過ぎ去ります。
そして、高学年の定番商品はありません。
となると、なかなか継続的、且つ安定的に利益を上げられる状態ではなかったのではないかと思います。
ところが、こだわりがなさそうな子供たちにも、しっかりと強いニーズがあり、そこにちゃんと目を向けて作られたのが、この瞬足だったわけです。
しかも、ニーズをしっかりと分析し、実用性や機能性を熟考し、大事に育てた商品ですから、当然ながら市場にも受け入れられました。
そして、このネット社会ですから、親や子供たちの間で瞬く間に広がり、空前の大ヒットとなったわけです。
尚且つ、足が速くなるということで、一度履いてしまえば、なかなか他の靴に乗り換えられにくい商品(特に男の子の間では)でしょうし、現状に顧客ケアを加えれば、小学校6年間のLTV(生涯獲得利益)を最大化できるのではないかと思います。
このように、瞬足からは、市場や顧客が望む商品を作るという、とても基本的なことを学ぶことができますよね。
世界同時不況、少子高齢化、成熟化社会と、どんどんモノが売れないへと突入する時代だからこそ、顧客基点という考え方がますます大切になってきますし、それこそが市場に受け入れられる唯一の手段なのではないかと思います。
ぜひ、皆さんもメーカー視点ではなく、顧客基点で物事を考える癖をつけて、モノが売れない時代を生き抜く術を今のうちから身につけみてはいかがでしょうか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 【にほんブログ村ランキング参加中】 経営ブログ 第164位(4/7現在) 広告・マーケティングブログ 第10位(4/7現在) 応援クリックよろしくお願い致します ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇