エリート大学生が大工さんに!?平成建設業績拡大の秘密に迫る!!

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ここ10数年、ハウスメーカーの台頭に押されて、いわゆる大工さんと言われる人たちがどんどん減ってきましたよね。


そんな流れの中、大工さんを目指す若者はどんどん減少し、そして、必然的に大工さんの高齢化も進み、その結果、大工さんの平均年齢は55〜60歳という、将来がとても心配な状況にまで追い込まれてしまいました。


しかし、業界全体がそんな不安な空気に包まれている中、どんどん若者を引き寄せ、業績を拡大している企業があります。


その企業というのが、静岡県沼津市に本社を構える“平成建設”。


業績を伸ばす平成建設の秘密は、どこにあるのでしょうか。


大工さん


まず平成建設の最大の特徴として挙げられるのが、業務を全て内製化しているということです。


この内製化とはどういうことかというと、建築業務を全て自社で行うということなわけですが、建築業界でこの内製化を行っている企業って、実は本当に少ないんです。


まず、ゼネコンは監督業務は自社で行いますが、その他のほとんどの業務は下請けに頼っています。


そして、ハウスメーカーも然りです。


ハウスメーカーは、大工さんの仕事を分業化し、単純化をしていった結果、大工さんの本来の技術を使わなくても、家が出来上がるようになりました。


その結果、大工さんは行き場を無くし、優秀な大工さんが宙に浮くはめになってしまったわけです。


こうした業界の流れによってどういう状況が生み出されるのかというと、お客さんにとっては、“一生に一度の大きな買い物”であるマイホームの購入にもかかわらず、現場で働いている下請け業者は、施主の顔すら分からない。


実際に現場で働く職人は、賃金も安くて、不安定。


高齢化で多くの職人が足を洗い、子供だけには自分のような辛い思いはさせまいと、職人にならないよう勧める。


そしてその結果、職人の確保が難しくなり、フリーターやアルバイト、外国人労働者に頼るゼネコンも多くなってきたのです。


こんな悪循環に陥っているこの業界では、誰も家を建てたいなんて思えませんよね。


しかし、業界がこの外注主体、分業化、単純化という方向に流れる中で、この平成建設は、“元請けが大工をやれば良い”という考えのもと、業界の流れとはあえて逆を行く道を選択したわけです。


本当にお客さんにとって必要なものは何なのか、本当に大工さんの能力を生かすにはどうしたら良いのか、父親が大工、自分は元ハウスメーカーのトップセールスという秋元社長だからこそ、行き着いた選択だったのではないかと思います。


その結果どうなったかというと、従業員は全員が社員、そして、驚くべきことに、有名大学の新卒が、どんどんこの平成建設に入社するようになったのです。


京都大学名古屋大学といった超エリートが、大工さんを目指して新卒で入社してくるんですよ。


これって、すごいことですよね。


しかも、2005年には、200〜300人規模の同社が、就職希望ランキングゼネコン部門で、10位にランクされたというのですから、本当に快挙とも言える出来事ですよね。


こうした世間の評価から分かることというのは、若者は決して大工という仕事をやりたくないわけではないということです。


エリートだって、女性だって、大工さんになりたい人はたくさんいるのにもかかわらず、業界が違う方向に行ってしまったため、彼らの行き着くところが無くなってしまっただけなんですよね。


ですから、この平成建設のように、その受け皿をしっかり作ってあげれば、優秀な技術を生かせる場を求めて、エリートも、女性も、優秀な大工さんも、どんどん人材が集まってくるわけです。


そして、平成建設では、腕の良いベテランの大工さんが、新卒で入社してきたエリートや女性にOJTで大工の技術を教えたり、社内で技能コンテストを開いたりと、社員の技術力をアップさせて、人材を育てるということにも余念がありません。


大工さんの平均年齢が55歳〜60歳という状況の中で、こうしてしっかりと若手の育成をすればどうなるかは明白ですよね。


他社が大工さん不足で衰退していく中で、優秀な大工さんを数多く抱える平成建設は、間違いなく一人勝ちすることでしょう。


そして、この内製化、優秀な人材の獲得・育成は、結果として、“一生に一度の大きな買い物”をするお客さんに、大きな満足と、安心感を与えることになるわけです。


このように、平成建設からは、経営において重要な数々の要素を学ぶことができますよね。


業界の流れとはあえて逆を行き、そして、組織化に向かうための仕組みを作って優秀な人材を獲得し、さらに、彼らをしっかりと育成することで、結果として本当の顧客満足と社員満足を実現するという取り組みは、多くの企業において参考になるのではないかと思います。


跡継ぎがいない、優秀な人材が来ない、社員がどんどん会社を辞めていく、顧客は大手に取られる、そんな業界は数多くあるはずです。


しかし、この平成建設のように、あるいは、畜産や農業の分野で循環型ビジネスに取り組んでいる藤橋商店のように、大手に負けないビジネスモデルを構築したり、優秀な人材を獲得したりしている企業は、中には存在するわけです。


ですから、自社や自分たちの業界を悲観せず、そして、こうした成功している企業を特別だとは思わずに、彼らから多くのことを学び、自社の発展や業界の改革を進めていくということも、経営者に求められる大きな仕事だと思います。


この平成建設の秋元社長を見ていてもそうですが、経営者の考えや姿勢1つで、企業は周りが予測できないほどの変貌を遂げるものですから、昨今の厳しい経済状況を覆すような奮起を、多くの経営者に期待したいところですね。

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