ダイソンの経営を紐解く?
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今日は、前回の続きということで、ダイソンの経営を更に掘り下げてみたいと思います。
前回は、ダイソンは研究開発に非常に力を入れていて、且つ、徹底した品質管理を行っていることで、圧倒的に優れた商品を作り、売りに行かなくても売れて、マーケットをリードするような存在になっており、理想的な経営をしているというお話をしました。
ただ、前回の記事でSHINYAさんもコメントで指摘をしてくれましたが、ここだけを見るとダイソンは、たしかに市場はそっちのけで、とにかく自分達の満足いく開発を追及しているようにも見えますよね。
あるいは、「マーケティングには力を入れていないのでは?」という風にも見えるでしょう。
しかし、ダイソンがここまで売れているのは、やはりモノの良さだけではないんです。
今回は、ダイソンのマーケティングの一端を掘り下げてみましょう。
ダイソンのマーケティングで最も力を入れていることは何なのかを考えてみると、それは、“伝え方”ではないかと思います。
ダイソンの掃除機は、たしかに、技術的にも素晴らしく、画期的な製品です。
それは、今となっては市場も認めていることでしょう。
しかし、こうした新しくて画期的な技術というのは、リリースされた直後は、市場からなかなか受け入れられないものなんですよね。
この新技術はどう便利なのか、顧客の生活をどう変えるのか、こうしたものがなかなか顧客に伝わっていきにくいわけです。
ですから、ダイソンとしては、市場がその新技術を納得できるように、説得力あるメッセージを伝え続けるということが、必要不可欠であるわけですね。
それゆえ、ダイソンではこの“伝える”ということに、非常に力を入れているのです。
その最たるものが、皆さんがよくご存知のCMでしょう。
ダイソンのCMといえば、従来の掃除機の問題点やダイソンの新技術が淡々と語られ、そして最後に、「ダイソン、吸引力の変わらないただひとつの掃除機」というキャッチコピーで締めくくられますよね。
タレントも使わず、音楽も無いこのCMを、ダイソンはひたすら続けたのです。
それでは、ダイソンのCMはなぜこのような形になったのでしょうか。
ここで、従来の一般的な日本の掃除機のCMを思い浮かべていただきたいのですが、それまでの日本の掃除機のCMといえば、女性が歌を歌いながら、楽しげに掃除機のノズルを手にして、部屋を飛び回るというようなものがほとんどでしたよね。
では、ダイソンではこのCMを作るに当たって、なぜこうした従来の掃除機の一般的スタイル踏襲しなかったのでしょうか。
そこには、ダイソンの綿密な市場調査があったのです。
つまり、ダイソンは日本に進出してくる際に、自社製品の主要顧客である主婦層はもちろん、年配の男性や若いOLなど、掃除をする可能性のある、あらゆる層のモニターを集めたインタンビューを繰り返し行っていたのです。
こうした、市場調査の繰り返しによって、ダイソンは、非常に重要な事実を探し当てました。
それは、“日本の顧客にとって、掃除は決して歌を歌いながらするようなものではない”ということです。
ダイソンが、この市場調査から知り得たことは、日本人の掃除に対する真剣さだったのです。
多数のインタビュー調査の結果、ダイソンが導き出した結論は、“部屋をきれいにするために工夫を凝らし、真剣に掃除に取り組む日本の顧客にとって、掃除機の機能をひたすら説明するCMはきっと受け入れられる”というものでした。
こうしたリサーチをもとに、プロモーションの方針を決め、そしてそのCM制作を依頼する広告会社には、ダイソンの各拠点を回らせて、ダイソンのものづくりへの哲学や信念を徹底的に教え込み、その結果できあがったCMがあのCMなのです。
その効果はてきめんで、何と購入者の3割が購入のきっかけとしてテレビCMを挙げるという、非常に大きな成果を生み出したわけです。
この他にもダイソンでは、既存顧客を招いた新製品発表会を行って、顧客のロイヤリティを高めるなど、製品の良さだけではなく、しっかりと市場の開拓や顧客の育成を行っているのです。
やはり、企業が海外市場に進出し、攻勢をかけようとするならば、マーケティング戦略無しには、成功はかなり難しいものです。
先週私が足を運んだ、北欧家具のIKEAも、日本進出の際には、日本人の家具に対する価値観や、日本の家に合った家具というものを徹底的に調査して日本に進出してきているそうですが、たしかに店内はすごい人で溢れかえっていて、日本人にもウケる家具が格安で売られておりました。
このように、強いビジネスモデルにしっかりとしたマーケティングが組み合わさるとどうなるか、ダイソンはそれが実現できている好例であると思います。
儲かっている企業は、ビジネスモデルが強いか、もしくは、マーケティングが上手いか、どちらか1つである場合が多いのですが、これらの両方が上手くいっている会社というのは、儲かるではなく、“圧倒的に儲かる”わけです。
ダイソンは、勝つべくして勝っている企業です。
経営は、たまたま売れましたではなく、思った通りに儲けることが重要です。
今すぐダイソンのようにやるというのは難しいかもしれませんが、経営の目指すべきかたちとして、ダイソンは非常に良いモデルだと思いますので、こうした企業の戦略を参考にして、皆さんも経営を拡大していくにはどうすれば良いのかをぜひ考えてみてください。
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